桜が満開で、散り始めている。
桜の時期はこの頃がいちばん好き。
桜吹雪の中を歩いていると
自分が何かのドラマの主人公に
なったような気がする。
☆彡
今日は地元で、桜のお祭りをやっていたので
ちょこっと見にいった。
屋台もいろいろ出て賑わっていた。
こういう催しは
ここ何年か中止になっていたので
久しぶりに解禁になって
みんな楽しみにしてでかけてきたんだろう。
満開の桜の下
あちらこちらにシートを敷いて
昼間からお酒を飲んで
盛り上がっているおじさんたち。
上機嫌で、見ているだけで楽しそう。
お花見といえばお酒がつきもの。
『きれいなお花』×『酔っ払う』
の相乗効果で
普段とは違う
いい気分になることができる。
この光景を見ると
いつも思い出すことがある。
☆彡
20代の頃
仕事をしている場所が
上野公園の近くだった。
近くといっても徒歩15分くらい。
ふだん利用している駅は
別のところだったけど
気候のいい時期は、よく散歩がてら
公園を抜けていくルートを選んで
帰ったりした。
桜が咲き始めるにつれて
少しずつ人出が多くなっていって
満開の頃は
なかなか歩いて通るのも
大変なくらいだった。
仕事終わりの疲れた足で
いつもの静かな夜の公園とは違う
賑やかで人の多い道を歩いて帰る。
ときどき起こる笑い声とか
ちょっと調子のはずれた歌声の中を
通り抜けていく。
それがなんだか好きだった。
☆彡
同じ場所に存在しているのに
自分と
周りにいる人たちのいる空間は違う。
あの人たちは別の世界に行っている。
それを見ると、ちょっとうらやましかった。
お酒が入るにしたがって
その人たちはどんどん
もっと深く
違う世界へ入っていく。
もしかすると
この世とは別の
どこかの世界との境界線のようなところを
漂っているのかもしれない。
毎日毎日
たんたんと続いていく
やらなくてはいけないことや
片付けなくてはいけない問題
そういうものからまったく切り離されて
楽しいことだけに浸っていられる世界。
つかの間の
夢の世界。
笑いのどよめきが起こるたびに
その人たちがまだ消えてしまわずに
確かにそこにいることがわかって
安心する。
夜の明かりに照らされた
桜の下の
幻想的な世界。
その中を歩いていくのが
好きだった。
☆彡
そんな思い出のせいもあるのか
なんだかこの時期になると
上野の桜を見に行きたくなる。
今年のはじめの
やりたいことリストにも
"上野の桜を見に行く"
というのを書いたこともあり
来週くらいに行ってみようかなと思う。
去年までは
宴会や、立ち止まって見るのも
NGだったような記憶があるので
禁止事項をよく調べてから行こう。
私はお酒が飲めないけど
お酒で上機嫌になっている人を見ながら
おいしいお花見弁当でも食べたい。