■5月3日■札幌■大通とうきびワゴン その3


翌朝の札幌は少し寒く、雨も降っていた。

子供の頃から札幌に来たら、大通公園で
とうきびを買って食べるのが楽しみになっている。

天気が悪いのでワゴンが出ていないか、
というところで、行ってみると売店の隣のワゴンだけは営業していた。


ワゴンでのラインナップは、
茹でとうきび・焼きとうきび各300円
じゃがバター300円
とうきびセット400円
いもきびセット400円

まだ準備中のように見えたので訊ねると、
営業してますと言う。

タオルを取って、ストックしてあるとうきびを見せてくれた。

焼きを一本お願いすると、食べていきますかと聞かれる。

少し考えて、この場で食べていくことにした。


手と口はべちょべちょになるものの、ゴミ箱もあり
水飲み場で手と口を洗えるので、その方が都合がよかった。

ワゴンから数メートル離れたゴミ箱の近くに行って、
被りついてむしゃむしゃ食べた。

入手した焼きとうきびは、茹でたものに焼き目をつけたものだった。

前回9月上旬に来た時は、ワゴンに「生とうきび」、
「地物始めました」のポップがあった。

つまりはこの時期はそうではない、らしい。

しかしながらやわらかく、棒から容易に頬張れた。

口の中では高速で噛み砕いて、とうきびの甘味をよく味わった。

とうきびには袋の上から楊枝が一本刺さっているので、
歯の隙間に挟まったとうきびは、
楊枝で静かにシーシーして、
水飲み場で顔を洗ってこの場を後にした。