Fireblocks社
概要: Fireblocksは、2018年に設立されたニューヨーク拠点の企業で、デジタル資産(暗号資産やトークンなど)の管理、移転、発行を安全かつ効率的に行うためのプラットフォームを提供しています。創業者には、Michael Shaulov(CEO)、Pavel Berengoltz(CTO)、Idan Ofrat(CPO)が名を連ねており、いずれもサイバーセキュリティやブロックチェーンの専門家です。

主な事業:
デジタル資産の保管と移転: MPC(多者間計算)ベースのウォレット技術を活用し、銀行や取引所、ヘッジファンドなどの機関がデジタル資産を安全に管理・送金できるソリューションを提供。特に、「Fireblocks Network」は、1800以上の取引所や流動性プロバイダーをつなぐネットワークで、即時決済や資産の再バランスを可能にしています。

トークン化とDeFi対応: 企業が独自のデジタル資産を発行したり、分散型金融(DeFi)にアクセスするためのツールも提供。

顧客層: Revolut、BNY Mellon、Crypto.comなど、800以上の金融機関が利用。2025年時点で、6兆ドル以上の取引をサポートした実績があります。

特徴と強み:
セキュリティに特化しており、MPC-CMP技術やコールドストレージを活用してハッキングや内部不正を防ぐ。

2022年の評価額は80億ドルで、1億ドル以上の収益を上げつつも成長投資を優先(Forbes, 2024年)。

日本でもSBIとの連携でUSDCの取り扱いを開始(2025年3月)。

成長期待: 規制対応と技術革新を両立し、Web3や機関投資家向けインフラで存在感を増しています。

Blockstream社
概要: Blockstreamは、2014年に設立されたカナダ拠点の企業で、ビットコインとブロックチェーン技術を活用した金融インフラの構築に注力しています。共同創業者にはAdam Back(暗号学の第一人者で「Hashcash」発明者)がおり、ビットコインのコア開発者コミュニティとも深い関わりがあります。

主な事業:
ビットコインインフラ: ビットコインのスケーラビリティやプライバシーを向上させる技術を開発。例えば、「Liquid Network」はビットコインのサイドチェーンで、高速かつ秘密性の高い取引を実現。

衛星サービス: 「Blockstream Satellite」を通じ、インターネット接続がなくてもビットコインネットワークのデータを受信可能に。

マイニング: 機関向けにビットコインマイニング施設を提供し、北米を中心に事業を展開。

開発者ツール: 開発者向けに「Blockstream Green」(ウォレット)や「c-lightning」(ライトニングネットワーク実装)などを提供。

特徴と強み:
ビットコインに特化した技術開発で知られ、オープンソースコミュニティに貢献。

Liquid Networkは、取引所間の決済やトークン化に利用され、2025年時点で一定の採用が進んでいる。

投資家には、Digital Currency GroupやAXAなど著名企業が名を連ねる。

成長期待: ビットコインの長期的な普及と機関投資家の参入を見据え、ニッチながら根強い支持を持つ。

比較と位置づけ
Fireblocks: 幅広いデジタル資産とWeb3全体をカバーし、機関投資家向けの包括的なプラットフォームを提供。ステーブルコイン(USDC、JPYC)やDeFiにも対応し、「汎用性」が強み。

Blockstream: ビットコインに特化し、そのエコシステムの基盤強化に注力。「専門性」とビットコインコミュニティとの結びつきが特徴。

共通点: どちらもブロックチェーン技術で金融インフラを革新し、セキュリティを重視。ただし、Fireblocksは多様な資産と顧客層、Blockstreamはビットコインの深化に焦点を当てています。

結論
両社は、ステーブルコインや暗号資産の普及を支えるインフラ企業として成長期待が高いですが、Fireblocksは広範なユースケースで「Web3の基軸」を目指し、Blockstreamはビットコインの未来を担う「専門家集団」と言えるでしょう。日本での展開では、FireblocksがSBIとの提携で先行していますが、BlockstreamもマイニングやLiquidの活用で潜在的な可能性を秘めています。