増収こそ確保したものの、連続増益にはストップがかかった。会社計画比でも売上高が126億円、営業利益が47億円の未達。前期好調だった検査キットなどの新型コロナ関連商材の販売が激減したことが主要因で、親会社であるイオン

(8267)の「WAON POINT」を新規導入した結果、販促費も増加した。

2023年3月には、たばこの販売中止を発表している。売り上げの減少に加え、「集客要因がなくなって、業績にマイナス影響が出ている。だが、今やらなかったら、(店舗の形が)理念に合わなくなっていく」(ウエルシアHDの池野隆光会長)と説明した。前期は400店舗で取り扱いを中止し、残りの店舗でも順次販売を取りやめる。

今2025年2月期は売上高が前期比5.7%増の1兆2870億円、営業利益が同8.7%増の470億円を見込む。新型コロナ関連の反動減が一巡するうえ、調剤薬局の店舗併設を引き続き強化することで回復軌道へと向かう算段だ。


一方、足元では主戦場の郊外で、オーバーストアによる採算悪化が苦しい。食品の安売りを軸に破竹の勢いで地元九州から北上する業界4位のコスモス薬品

(3349)を筆頭に、出店競争が激化している。「ウエルシアの強みである調剤や介護を提供する。家庭雑貨の品ぞろえはツルハから吸収する」(ウエルシアHDの松本忠久社長)ことで対抗するという。