■テセック(6337)

半導体製造装置メーカー。前期(2022/3期)の売上高構成比は「ハンドラ」53.0%、「テスタ」28.3%他で、海外売上高(同)が80.3%のグローバル企業です。「テスタ」は半導体の電気特性を高速・高精度に測定し、「ハンドラ」は接続された「テスタ」から測定結果に応じ各種半導体を自動的に分類・選別できる装置です。扱う電流・電圧が大きく、電力損失を抑えることが特性のパワー半導体向けに強みをもち、パワー半導体を手掛ける米テキサス・インスツルメンツ(TI)が大口取引先です。

今期(2023/3期)は、「テスタ」、「ハンドラ」ともに大きく伸長しており、会社側は予想営業利益を18.0億円→23.7億円(前期比35.6%増)に上方修正しました。パワー半導体市場は今後も拡大が見込まれ、大口取引先である米TIもEV向けに売り上げ倍増を狙い、半導体工場を増設する計画で、当社の展望も開けていると言えそうです。

■オキサイド(6521)

主に光学関連製品を開発・製造・販売する会社で、半導体とヘルスケアが中核セグメントです。当社のレーザ光源は、半導体製造に使用されるシリコンウエハの品質検査装置に使用されています。つくばの国立研究所(NIMS)発企業であり、技術力の高さは折り紙付きで「SMALL GIANTS AWARD 2021」や「第29回日本結晶成長学会技術賞」などを受賞しています。11/15(火)から株価も出来高も急激に右肩上がりです。

■ティアンドエス(4055)

システム開発をメインとする会社です。半導体工場内のシステム運用及び保守、並びにインフラ構築等の支援を行っています。キオクシアグループ、東芝グループ、日立グループが長年の重要顧客であり、前期(2021/11期)は販売額の74%が前述の3社によるものです。事業の中では、半導体は顧客の工場が稼働する限り安定的なカテゴリーとされています。主要顧客であるキオクシアが製造するNAND型フラッシュメモリは、近年のIoTの普及等によるデータ量の急激な増大に伴い今後も市場が拡大すると当社は独自に予想しています。10/26(水)にはキオクシアは新たな製造棟を三重県四日市に竣工しました。ただ、NANDを含むメモリ市況は、当面は軟調との見通しが大勢である点に、注意が必要とみられます。

■高田工業所(1966)

当社は主にプラント事業を展開しています。完成工事高(前期)の43.4%が化学プラント、同24.7%が鉄鋼プラント、エレクトロニクス関連設備が11.9%他で国内向けが中心です。三菱ケミカル、日本製鉄、AGC等が主要顧客となっています。「装置事業」として、超音波カッティング装置や各種洗浄装置を販売しています。パワー半導体分野への販路拡大も取り組んでいました。今年度上半期の営業利益は前年同期比42.2%増と伸長。化学プラントの定修工事やエレクトロニクス関連工事の増加が貢献。通期は69.2%営業増益の予想です。

■アドテックプラズマテクノロジー(6668)

「プラズマ用高周波電源」という半導体製造装置に不可欠な部品を開発・製造し、世界各国に販売する会社です。海外展開に注力しており、「北米市場」、「欧州市場」、「アジア市場」を主要3市場と定め、営業体制を整えています。2022/8期時点での海外売上高比率は全体のおよそ半分です。前期(2022/8期)は半導体関連の投資が活発であったことを背景に、業績は好調な推移でした。今期(2023/8期)は最先端ロジックや中国の国産化投資に基づく投資は堅調に推移する見込みです。一方で、半導体等の部材供給不足などによる部材の長納期化や価格上昇は、前期に続き今期も業績の重しとなると当社は想定しています。

■テラプローブ(6627)

半導体の「テスト」に特化した会社です。半導体製造におけるテスト工程を受託しています。業績は長らく低迷していましたが、車載向けをはじめとするロジック製品の受託量増加を背景に、前期(2021/12期)から急激に業績回復しています。今期(2022/12期)の最終四半期決算は、5G基地局向けやサーバー用CPUなどのロジック製品の受託量は増加するものの、コンシューマー向け製品(ディスプレイコントローラー等)の需要調整を見込んでいます。通期ベースでは、好調であった前期の売上高・利益を更新する計画です。

■内外テック(3374)

半導体メーカーや半導体製造装置メーカー向けの専門商社です。販売事業のみならず、受託製造事業も展開しており売上高の約1割(2022/3期・調整前)を占めています。 会社方針としては「半導体製造装置の゛高真空分野のNo1プロバイダー゛」になる事を目指しています。前期(2022/3期)は当初計画を大幅に上回り3期連続の増収増益を達成。上場来で最高決算となりました。今期(2023/3期)に関しても、データセンター投資やEV需要等が押し上げ要因となり、前期の上場来最高決算を更新する見通しです。

■ヘリオス テクノ ホールディング(6927)

「配向膜」という液晶パネルの部品の印刷製造装置が主力製品です。新たな分野の開発として半導体業界向けの開発や関連部材の拡販売に取り組んでいる最中です。前期(2022/3期)は、半導体業界向け装置及び新規事業開発装置等に総額で5,800万円の設備投資を行っています。

■岡本工作機械製作所(6125)

研削・研磨用の砥粒加工機の世界的企業で、半導体製造装置も手掛けています。11/7(月)に2023/3期第2四半期決算を発表。内容は前年同期比で大幅な増収増益となったものの、市場で期待されていた通期業績予想の上方修正がなかったため、一旦株価は急落していました。今期(2023/3期)の通期業績は、パワー半導体デバイスにかかわる投資意欲が旺盛であること等から前期比で売上高・営業利益は2桁台での成長見通しです。株価も見直されているようで、11/29(火)終値は直近決算前の水準まで回復しています。

おすすめ記事(2022/11/30 更新)