渋谷区宇田川町

旧陸軍刑務所跡、現渋谷税務署の一角に建つ

二・二六事件慰霊碑

この地で青年将校等十九名が

処刑された




八十八年前の今日


昭和十一年ニ月二十六日未明


安藤輝三、野中四郎、香田清貞、栗原安秀、


中橋基明、丹生誠忠、磯部浅一、村中孝次ら


陸軍青年将校は、第1師団歩兵第1連隊、


歩兵第3連隊、近衛師団の歩兵第3連隊など


総勢一四八三名を率いて維新を蹶起した 


当時の社会情勢は


東北の農家は疲弊し


中央の官界や財閥の跋扈と政治の怠慢など


多くの問題が山積していた



掲げられた「君側の奸」「昭和維新」


「尊皇討奸」との幟の文を見れば


如何に憂國の至情から出た行動だったかが


窺い知れる


「皇道派」といわれた


彼らのその行動の柱となったのが


国家社会主義者・北一輝の


「日本改造法案大綱」と言われている



第一章の『国民ノ天皇』


第二章の『私有財産限度』


第三章の『土地処分三則』


第四章の『大資本ノ国家統一』


第五章の『労働者ノ権利』


第六章の『国民ノ生活権利』


第七章の『朝鮮其他現在及ビ将来ノ領土ノ改造方針』


第八章の『国家ノ権利』


以上の八章から構成されている論文である


北は本書を書いた目的と心境について


「左翼的革命に対抗して右翼的国家主義的国家改造をやることが必要であると考へ」


と述べている


日本改造法案大綱に加え


二・二六事件の伏線になったものが


事件前年八月に起きた「相沢事件」とも


言われている


「相沢事件」とは、皇道派青年将校に共感する


相沢三郎中佐が陸軍省内で


統制派の軍務局長・永田鉄山を刺殺した事件である



 当時の陸軍内は


高度国防国家を目指す「統制派」と


天皇親政を理想とする「皇道派」の


対立が激化していた


皇道派だった相沢は


同派の教育総監・真崎甚三郎が更迭された


ことに不満を持ち


統制派の中心人物だった永田刺殺に至る


 北一輝の「日本改造法案大綱」に加え


「相沢事件」の半年後に二・二六事件が


決行されたことをしてもこの事件が


青年将校らに


大きな影響を与えたのは紛れもない事実だ



神武肇国から続く我が国の永い歴史の中で


時代の陋習を打ち破らんと維新という


大業が成し遂げられた


「大化の改新」「建武の中興」「明治維新」で


ある


 「維新」とは「維(こ)れ新(あらた)なり」


と全てが改まって新しくなることだ


幕末の水戸藩士で尊王攘夷派の思想家(水戸学)


藤田東湖が示した


「大義を明にし、人心を正さば、皇道奚(いずく)んぞ興起せざるを憂えん」


こそ維新の精神である



「蹶起趣意書」 


謹んで惟るに我が神洲たる所以は 万世一系たる天皇陛下御統帥の下に挙国一体生成化育を遂げ 遂に八紘一宇を完うするの国体に存す。


 この国体の尊厳秀絶は 天祖肇国神武建国より

明治維新を経て 益々体制を整へ今や方に万邦に向つて開顕進展を遂ぐべきの秋なり。


 然るに頃来遂に不逞凶悪の徒簇出して私心我慾を恣にし 至尊絶対の尊厳を藐視し僭上之れ働き万民の生成化育を阻碍して 塗炭の痛苦を呻吟せしめ随つて外侮外患日を逐うて激化す、

 所謂元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党等はこの国体破壊の元兇なり。


 倫敦軍縮条約、並に教育総監更迭に於ける 統帥権干犯至尊兵馬大権の僭窃を図りたる三月事件 或は学匪共匪大逆教団等の利害相結んで陰謀至らざるなき等は 最も著しき事例にしてその滔天の罪悪は流血憤怒真に譬へ難き所なり。


 中岡、佐郷屋、血盟団の先駆捨身、五・一五事件の憤騰、 相沢中佐の閃発となる寔に故なきに非ず、 而も幾度か頸血を濺ぎ来つて今尚些かも懺悔反省なく然も依然として 私権自慾に居つて苟且偸安を事とせり。


 露、支、英、米との間一触即発して 祖宗遺垂の此の神洲を一擲破滅に堕せしむは火を賭るより明かなり。


 内外真に重大危急今にして 国体破壊の不義不臣を誅戮し 稜威を遮り御維新を阻止し来れる奸賊を芟除するに非ずして宏謨を一空せん。


 恰も第一師団出動の大命渙発せられ 年来御維新翼賛を誓ひ殉死捨身の奉公を期し 来りし帝都衛戍の我等同志は、 将に万里征途に登らんとして而も省みて内の亡状に憂心転々禁ずる能はず。


 君側の奸臣軍賊を斬除して 彼の中枢を粉砕するは我等の任として能くなすべし 臣子たり股肱たるの絶対道を今にして尽さずんば破滅沈淪を翻すに由なし、 茲に同憂同志機を一にして蹶起し奸賊を誅滅して大義を正し 国体の擁護開顕に肝脳を竭し以つて神洲赤子の微衷を献ぜんとす。


 皇祖皇宗の神霊冀くば照覧冥助を垂れ給はんことを。 


昭和拾壱年弐月弐拾六日 


陸軍歩兵大尉 野中四郎 




彼らは「反乱軍」「朝敵」とされてしまい


陛下の命で処刑されてしまったが


彼らの逞しい尊皇精神と純真な憂國の至情は


消えることはないし

 

中央の官界や大企業の跋扈と政治の怠慢など


腐り切った問題が山積している現代も


今を生きる尊皇絶対の


國を憂ふる維新者達は


青年将校等を見習い


令和維新を蹶起、達成しなければならない











青年日本の歌・(昭和維新の歌)」


作詞作曲・三上卓

唄 アイ・ジョージ


一、汨羅べきらの淵に波騒ぎ 巫山ふざんの雲は乱れ飛ぶ 溷濁こんだくの世に我起たてば 義憤に燃えて血潮湧く 

二、権門上に倣おごれども 国を憂うる誠なし 財閥富を誇れども 社稷しゃしょくを念ねがう心なし 

三、あゝ人栄えて国亡ぶ 盲めしひたる民たみ世に躍おどる 治乱興亡夢に似て 世は一局の碁なりけり 

四、昭和維新の春の空 正義に結ぶ益良雄ますらおが 胸裡きょうり百万兵足りて 散るや万朶ばんだの桜花 

五、古びしむくろ乗越えて 雲飄揺ひょうようの身は一つ 国を憂いて起つ時に 大丈夫ますらおの歌なからめや 

六、天の怒りか地の声か そも只ならぬ響あり 民たみ永劫えいごうの眠より 醒めよ日本の朝ぼらけ

 七、見よ九天の雲は垂れ 四海の水は雄叫びて 革新の機到りぬと 吹くや日本の夕嵐

 八、ああうらぶれし天地の 迷ひの道を人は行く 栄華えいがを誇る塵ちりの世に 誰たが高楼こうろうの眺めぞや 

九、巧名なにか夢のあと 消えざるものはただ誠 人生意気に感じては 成否を誰たれか論あげつらふ 

十、止めよ離騒の一悲曲 悲歌慷慨こうがいの日は去りぬ 我等が剣つるぎ今こそは 廊清の血に躍るかな





天皇陛下萬歳!