映画「生きる」観てきました。
石巻にある大川小学校
2011年3月11日に起きた津波により、74人の児童と10人の居職員が亡くなった。
地震発生から津波がまでの51分。
子どもを失った遺族は、なぜだったのか、真実を知りたかった。

行政の対応の誠実さのなさ、隠蔽、それらを感じた親たちが真実を求め、石巻市と宮城県を被告にして国家賠償請求の裁判を提起した。
裁判が始まる前からの映像、記録を撮り続け、のべ10年にわたる映像が貴重な記録として残ることになっていく。

これまでも大川小学校の説明会の映像を観たり、経緯を聞いたりしてたけど、よく映画にしてくれたと思った。
遺族の方の思いに触れた。
あの日、どんな思いで、我が子を探しただろう。
亡くなった子ども達、苦しかったし、怖かっただろうし。
助かった子どもが4人いる。
どんな思いでいただろう。
そして、考えさせられる。

今日は、映画に出演され、この裁判をたたかった吉岡和弘弁護士が舞台挨拶

74人亡くなった家族数は、54世帯。
1家で2人亡くしてる家族もいる。
最初、3家族が吉岡先生のところに尋ねてきたそう。
せめて半分くらいの世帯数がいないとと話したそう。
公民館を借りて、国賠訴訟がどんなものかを説明し呼びかけ、
19世帯が原告となった。

遠藤先生は理科の先生で子ども達には人気があった。
ある亡くなった6年生の男の子、
遠藤先生の似顔絵を大きな用紙に映画いてた。
下には、
「先生、尊敬してます。」
と書いてあった。
この地域は、普段から、地域の方や保護者の方が学校に関わり、先生との距離も短い。
それだけに、山に駆け上がれば助かった命。
あそこに40分とどまったのはなぜか、真実が知りたかった。

でも、石巻市教育委員会は、生き残ったその先生から聞き取りをしているのに、そのデータを出さなかった。

この映画から見えることがいくつもあった。
立証するのが、被害者に課せられているような日本の裁判。
遺族の方が、証拠を積み重ねるのをどれだけ大変な思いでしたことだろう。
そして、中傷だけでなく、「殺す」「火をつける」を脅迫文が送付されたりもした。
そんな中、遺族の皆さん、吉岡弁護士、齋藤弁護士、よくたたかったと思った。

仙台高裁は
「平時から油断せず、津波の危険性を検討し、適切な避難場所を定め、訓練をしていれば地震後、早い段階で安全な場所への避難が可能だった」
と指摘した。

この裁判を通して、
子ども達の通う学校が安全な場所であるように。
今後の学校防災につながっていく、おおきな意味をもたらした裁判だった。

是非、多くの方に見て欲しいと思った映画でした。
子ども達の命を守るためにも。

■上映期間■
2023年3月11日(土)~3月17日(金)
10:00~(124分)
■元町映画館■
神戸市中央区元町通4丁目1-12
078-366-2636

■映画「生きる」公式HP■
https://ikiru-okawafilm.com/
予告編
https://youtu.be/OT9rNcNNRYQ