さようなら原発1000人集会に参加してきました。
樋口英明元裁判官と武藤類子さん講演会
(2019年12月1日いたみホールにて)
樋口英明さんのお話
樋口裁判官を知ってますか?
あの東電の起こした原発事故のあと、各地で、原発差止訴訟が起こりました。
その1つ大飯原発運転差止訴訟がありました。
この時の裁判官が樋口裁判官です。
当時、この裁判の判決は注目していました。
その判決文は、すぐにニュースとなりました。
聞いた時、胸が熱くなりました。
●2014年5月21日の判決文
下記のリンクで全文読めます。
http://www.news-pj.net/diary/1001
終わりの方に書いてる内容を抜粋します。
※※※※※※※※※
「大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨」
9被告のその余の主張について
他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。
※※※※※※※※※
この判決を書いた元裁判官の樋口英明さんのお話です。
(途中、私が補足もしながら書いている部分あり。)
●地震のエネルギーと強さと原発の耐久性
地震のエネルギーの大きさをマグニチュードで表す
地震の強さをガルgalで表す
震度とガルの対応表
2000年以後の主な地震
この表に書いてある5115ガルは、三井ホームの耐震ガルの数値
https://www.mitsuihome.co.jp/lp/jikken/
この表に書いてある3406ガルは、住友林業の住宅の耐震の数値です。
http://oita-scoop.or.jp/jyutaku/event/20160908/20160908_2.pdf
※ちなみに、阪神淡路大震災の時は、地震計の場所があちらこちらにあったわけでない為、最大震度かどうかが分からない。
それから各地に地震計が設置されたようです。
このような耐震から原発の耐震を見ていくと。。。
過去の地震に耐えられるとはとても思えないです。
●原発の仕組みについて
原発の仕組みはとてもシンプルと表現されました。
原子炉で水を沸騰させ、発生した蒸気をそのまま直接タービンに送り、発電機を回す仕組みです。
下記の動画(30秒)も参考に
https://www.youtube.com/watch?v=Q1j0f9-dP2k
この画像にある、原子炉圧力容器の中に核燃料が入ってます。
これを核分裂させます。
使い終えた核燃料は、使用済み核燃料は貯蔵プールに移動されます。
●原発事故後の最悪予想
原発事故の時の総理大臣は、菅直人総理。
内閣府原子力委員会委員長だった近藤駿介氏に、訊くのです。
「どんな事が起こるのか?」
すると、近藤駿介氏は答えます。
「東京を含む250kmが避難しないといけなくなるだろう」
と。
そうなると、4000万人が避難する事になる。
でも、奇跡が重なって250kmの避難指示はなかったそうです。
その奇跡とは。。
●4号機の奇跡
使用済み燃料は貯蔵プールで冷却しながら保管します。
地震の後、全ての電源を失い、冷却機能や水の補給機能もできなくなりました。
プールの水位が下がる中、使用済み核燃料が露出するのは、3月下旬という予想していた時、
3月15日に原子炉建屋が爆発します。
その後、上昇し、水位が低くなる貯蔵プールに奇跡が起こりました。
貯蔵プールの隣りにあった原子炉ウェルは、普段は水がないのに水が入ってました。
その前の年から行われていた定期点検中で、工事が遅れて、東日本大震災発生4日前の3月7日に外部に抜き取られる予定だった水がたまたまあったのです。
また、原子炉ウェルと貯蔵プールには、仕切りがあるのですが、それがずれてたため、仕切りの隙間を通って、原子炉ウェルから貯蔵プールに流れ込み、燃料がほぼ無事だったそうです。
250kmが避難指示にならなかった4号機の奇跡です。
●2号機の奇跡
水蒸気いっぱいになり、圧力がいっぱいになり、大爆発を起こす可能性がありました。
でも、電気が止まったからベントは開けられない。
人が行って、開けようか?
という案もでるけど、放射能高すぎて近寄るだけで、命を落としてしまう。
現場にいた吉田所長は、
設計基準の倍超えた
と大爆発を覚悟した。
東日本壊滅と脳裏にうごめく。
ところが、原子炉格納容器が欠陥があったことから、蒸気が出た。
最悪のシナリオから回避できた奇跡であったそうです。
●原発の被害の危険性
原子炉は、停電もダメ、パイプの破損もダメ
それくらい危険と隣り合わせのものです。
たまたま最悪のシナリオを回避できただけです。
世界にはこんなに地震がありますと地図を出すと、日本は真っ赤。
この上に54基も危険な原発が立っているのですから。
樋口英明さんの話はとても分かりやすかったです。
そして、伝えていこうとする姿からは、こちらもエネルギーが出てきます。
2人目は武藤類子さんのお話です。
武藤類子さんは、東電刑事訴訟の告訴団です。
●東電刑事訴訟
この裁判の中で、分かった事が沢山あります。
長期評価では、マグニチュード8級クラスの津波地震が30年以内20%程度確率で発生すること
を知っていたこと
予想津波高の分析を子会社に依頼し、15.7mの津波がくることをすでに知っていたこと。
知っていながら対策を怠ったことなどです。
そして、東電の勝俣恒久被告は、
「原発の安全性についての責任は、一義的に現場にある。
自分には全くないとは言わないが、基本的にない」
と証言しています。
あまりにも無責任。
そして、2019年9月19日
永渕健一裁判官判決を言い渡しました。
被告人らは、いずれも無罪。
当時の社会通念では、絶対的安全を前提としていないし。
長期評価は信頼性が低いし。
調査を土木学会に委ねることだって、誰も反対しなかったじゃん。
3被告は、大津波が襲来する認識はあったけど、その数字が確かなものだと思っていなかったそうだし。
こんな判決間違っている!
そして、指定弁護士のみなさんに控訴をお願いする緊急署名をされました。
その数、わずかな時間で、2万人の署名です。
石田省三郎指定弁護士は、
「長期評価」の信頼性、具体性を否定し、しかも
「絶対的安全性の確保までを前提としていなかった」
などと判断した判決には到底納得できません。
判決をこのまま確定させる事は、著しく正義に反します。
と控訴されました。
これからも注目くださいという事で、短編映画の紹介もありました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZJhyDSnutqk
●放射性物質を含む汚染水
膨大な量の汚染水は、1000トン900基あって、今でも増えています。
●高さ120mある排気塔
排気筒を支える鋼材が破綻していました。
遠隔操作による切断、解体が始まりましたが、遠隔操作する切断装置の刃が排気筒の上端部分に食い込んで外れなくなったそうです。
これは、とても危険なことだそうで、そのため作業員が排気筒の上部に上がり、手作業で筒の一部を切断する方針になったという事です。
数日前、新聞も報じていました。
https://mainichi.jp/articles/20191128/k00/00m/040/305000c
そして、ベトナムから来た労働者達が、知らずに働いている現状も報告してくれました。
●フレコンバッグ
大量の除染廃棄物が入っているフレコンバッグ
先日の台風や大雨でも90個のフレコンバッグが流れてしまいました。
また、除染していない森林から放射性物質が流れ出ている現状を報告してくれました。
環境省は、除染土の再利用計画を進めています。
高速道路の下に埋めるのはすでにされている。
農地に埋める事についても、飯館村長泥地区で行われています。
除染して欲しいと頼むと、その代わりにとバイオマスに使う植物を植えるように再生資材という形で使われたそうです。
今は、福島県の話だけど、全国が対象となっているので、いつか皆さんの地域にもやってきます。
とお話されていました。
●帰還政策
区域外の人達も沢山避難しました。
2倍の家賃を請求したり、契約をうまく結べなくて、無契約状態の方々は、裁判に訴えられています。
精神が追い詰められていきます。
このパワポにもあるように、群馬訴訟の控訴審では、国は、
避難者は、避難しなかった住民の心情を害する
とか
国土に対する不当な評価
などと陳述しました。
下記は群馬訴訟の弁護団のHPより抜粋
リンク元(下記リンク先p27記載)
●環境創造センター(コミュタン福島)
三春にできました。(2016年7月21日)
ここを訪れる小学生たちは、
「放射能はとても恐ろしいものだと思っていました。でも自然界にもあるし、食べ物にもあるし、平和に利用もされていることも分かりました。多くの人が来てくれたらいいのに」
みたいな感想が多いようです。
これが本当に教育なのだろうかと。
●文部科学書の放射線副読本の改訂問題
2010年に作られたが、2014年、2018年と改定版が出ましたが、さらにひどくなっているようです。
<削除された内容>
・事故を起こした原発の写真
・放射能汚染地図や汚染という単語
・この事故はレベル7であること
・被ばく線量と健康影響との比例関係(LNT仮説)
・子どもは被ばく感受性が高いこと
<復活した内容>
・放射線が身近にあり、利用されていること
<追加された内容>
・復興の様子を表す内容
・避難指示や食品制限などの対応適切にできたかのような記述
・被ばくによる健康影響について楽観派の記述
・関係のないリスク(野菜不足、タバコ)との比較
武藤類子さんのお話は、これまで4回聞いていますが、その時々の現状も含め、分かりやすく伝えてくれます。
ふつうの暮らしが、原発事故によって変わってしまったことへの切なさも感じながら。
******* 国会議員の方々の発言 ********
1人目は清水忠史衆議院議員
2人目は桜井周衆議院議員
******* 市民アピール ********
●Go West, Come West!!!3.11東北・関東 放射能汚染からの避難者と仲間たち(ゴーウェスト)
関東から関西へ避難してきた下澤陽子さんからの発言
下記動画です
当時5歳だった娘さんの体調が悪くなり、避難した事によって、体調が回復していったこと。
ずっと身体の検査を通して、能力減退症と判断されたことなど避難してきた当事者としての発言でした。
また、集会のお知らせもありました。
「原発被ばく隠し・2020年事故幕引きを許さない」集会&デモ2
日時:12月15日(日)13:15開場 13:30開始
会場: PLP会館 4階中会議室
大阪市北区天神橋3丁目9ー27 JR天満・地下鉄扇町駅徒歩5分
http://plp-kaikan.net/access/a_index.html#koutsu
参加カンパ:500円(避難者、障がい者・介助者、学生無料)
https://www.gowest-comewest.net/
●はんげんぱつ新聞編集委員の末田市秀さんから発言
関電の原発マネーの不正還流を許さないためにと告訴の手続きをしていることなど報告してくれました。
私は、原発事故後、原発の構造の事を知りたくて、原発勉強会に通ってましたが、その時に教えてもらった講師の方の1人です。
●老朽原発動かすな!兵庫リレーデモの皆さんから発言
12月8日に関西電力本店前に到着するように、リレーデモをされていることなど報告されました。
発言動画
そしてこれから行われるリレーデモの案内もありました。
続けて発言動画
・12月4日(水)集合10:00出発10:20⇒13:00着
JR西宮駅⇒阪神尼崎駅(国道2号線)7.0km(1時間31分)
・12月8日(日)集合10:00/出10:20⇒13:00着
阪神尼崎駅⇒ 関電本店 (国道2号線)8.9km(1時間54分)
・12月8日(日)14:00~関西電力本店前にて
老朽原発うごかすな!関電包囲大集会
******* 司会 ********
難波希美子さん
山崎昌子さん
実行委員の皆さま、お疲れ様でした!
企画してくれるから、参加できます。
******* 休憩中 ********
いろんなブースが出ていました。
●さよなら原発神戸アクション
缶バッチをゲットしました。
毎月、三宮マルイ前でアクションしています。
私も参加していますが、次回は12月22日14:00~です。
●辺野古の海に基地を作らせないと活動される皆さん
大浦湾のイカゲソをゲットしました!
他にも沢山出店されていましたが、時間切れでした。
この間にも生業訴訟と避難者訴訟の公正な判決を求める署名もしてもらいました。
署名してくださった皆さん、ありがとうございました。
合間に、清水衆議院に、原発賠償関西訴訟のタオルを持ってもらいパチリ。
県議会議員のねりき恵子議員にも同じように写真を撮りましたが私のスマホじゃなかった。残念~
ということで、こちらのタオルは800円で販売中です~
自分の記録のためにも、またできるだけ知った事は伝えたくて書き留めました。
これからも学び、伝えていきます。