かつてネトウヨだった琉球新報新人記者26歳の塚崎さんのコラム
***** 書き起こしました ******
学生時代、私は「ネット右翼」だった。
辺野古や高江で米軍基地建設に反対して座り込む人々に、ネット上の言説を根拠に「反日勢力」とレッテルを貼った。
琉球新報など、権力にあらがう人々を伝える報道には、自分なりの国家論を振りかざして反論した。
持論がネット上で賛同されるのを見て、悦に入っていた。
考えが変わり始めたのは友人と訪ねた辺野古や高江の現場を目の当たりにしてからだ。
座り込む人たちに、自分の意見をぶつけたが、
「君は間違っている」
とぴしゃりと言われた。
対話を重ねるうちに、抗議を続ける動機に「生活を守る」という意識と、沖縄戦の記憶が流れていることに気づいた。
ネット上の情報だけを信じていた自身の浅はかさを痛感した。
その後も戦後史を学ぶにつれ、辺野古新基地建設に抗議する県民大会に足を運んだ。
家族連れら、さまざまな人が集まった様子を見て
「反対運動はお金をもらった人々」
というネット上のデマが現実離れしていると感じた。
その中で
「より多くの人に現場の状況を知らせたい」
と思い始め、記者を志望することにした。
教育担当記者となった今も、辺野古取材班に加わっている。
4月からは北部報道部に配属となる。
ゲートに座り込む市民を取材する機会も多くなる。
「ネット右翼」だったかつての私のような人たちに、どうすれば現場の状況を理解してもらえるか、考え続けている。
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誰かに頼って情報を得たとしても、きちんと自分で考える力を持ち続けることが大事です。
例えば、学校で、自分の悪い噂を聞いたとしても、確かめて。
違うかもしれない。
対話しないと真意はわからない。
人は間違うし、気づかないときもあるもの。
何事も向き合い、対話を続けることが大切だと思います。