番外話『Sunny Day』 | 吾輩はヒルシュ類縁で短腸のアラサーである。

吾輩はヒルシュ類縁で短腸のアラサーである。

腸管神経細胞僅少症(ヒルシュスプルング病類縁疾患)により短腸症候群になりました。SLE、肝硬変に振り回されつつ、七転八起しながら生きているアラサーです。
日常のことや病気のことを書いていきます。
質問、コメントお待ちしてます(*´∀`)

「せんせぇっvv」

今日も未香はハイテンションに放課後図書室に立ち寄った。

「おう、お疲れさん。どうやった、今日は?」

未香が密かに想いを寄せる司書の忍成先生だ。

「今日もめっちゃ楽しかった!!彰がねっ・・」

(彰なぁ・・・この子にとっては年の近い子の方が当然えぇんやろな・・)
忍足先生もまた生徒である未香を思っていた。

「先生っ、聞いてる!?」

突然顔を覗き込まれビックリした忍成先生は後ずさるも未香にガシリと顔を掴まれたため、少し鼓動が早くなる。
(何やってんねや・・こんな小娘に心を掻き乱されるやなんて・・・いい年した男が・・///)

「せ、先生・・この傷、何?」

不審そうに未香は忍成先生の額にある傷を見つめた。普段は長い髪で隠しているのだが、チラリと見えたらしい。

「そ、それはやな・・(汗)」

その額の傷は5僂曚匹梁腓さがあり、痛々しく何針か縫ってあった。

「どうしたの、こんな凄い傷!!」

それは忍成先生が現役で戦線にいた頃に不覚にも負った傷であった。

「あ、その傷は昔・・」

共に戦い、命を落とした戦友、戦うために愛する者を犠牲にし、大切なものも守れず・・・そんな心の痛みに耐えきれず思わず真実を口にしそうになったが・・・
(アカン、こないなこと、未香に言うたら・・この子にまで危険が迫ってまう・・・。それに・・どうせ俺は一介の教師だとしか思われとらん・・)

そう思うとやり切れなかった。

「ねぇ、先生どうし・・「ほっとけや、自分には関係ない」

そう冷たく言い放ちながら未香の手を振り払った。

「・・せ、先生・・・」

しまった、と思い顔を上げると忍成先生を見つめたまま驚いたような悲しそうな表情をしている未香。
(しもた!!・・・何やっとるんや・・こないなこと言いたいワケやないのに・・っ)

「ゴメンな、未香・・」

大慌てで謝る忍成先生だが・・

「・・・ゴメン・・な・・さっ・・。誰・・でも・・っ知られたくない・・コトって・・あります・・よね・・っ」

未香の瞳から溢れた大粒の涙が頬を伝っていた・・

「未香・・」

何も出来ずに忍成先生は困り果てていた。

「でも・・っ私は・・せんせぇのこと・・・・好きだからぁ・・っ、ほっとけなくっ・・てっ・・」

突然の告白に呆然としていた忍成先生だが、自分の中で何か音を立てて壊れていくのがわかった。涙を拭う未香の手を掴み引き寄せると未香の細い肩を抱きしめる。

「せ、先生・・」

困惑を隠せない未香の耳元で切なげに呟く。

「俺も・・・好きや・・。けど・・俺の傍におったらいつ危険な目に遭うかわからへん・・。でも、もう・・抑えられへんねん・・・毎日、お前に会う度にこの気持ちが溢れ出しそうやった・・」

そんな彼の背中に戸惑いがちに未香は腕をまわすと言った。

「よくわかんないけど・・私も先生も一人ぼっちじゃないから・・・周りの人に助けてもらっても良いんだよ・・?1人で全部背負ったりしなくて良いから・・。先生を信じて・・ついて行くよ・・・」
「・・未香・・っ」

再び力を込めて未香を抱きしめた。

光の射し込む静かな図書室でのことでした




「先生・・最近大丈夫?何かヤバいことに首つっこんでない?」
「あぁ・・心配しなや・・。お前は体調どうなん?」
「超→元気だよっvv」
「そぉかvv今度デート行こか?体調良いみたいやし」
「わぁ~行くっvv」









END




Written by蒼ノ介










・・・恥ずかしいくらい、自分の妄想たっぷりな話ですorz