◎「ひねり(捻り)」(動詞)
「ひいににねり(日去にに練り)」。「ねり(練り)」はなにかを均質動態にし全体を均質にしていくこと→「ねり(練り)」の項。「ひいににねり(日去にに練り)→ひねり」は、日が進行するように(円空を回転するように)混ぜ合わせ全体を均質にしていくような動作をすること。思考努力がそのように表現されることもあり→「俳句をひねる」、指で抓(つね)ることを「ひねる」と表現することもある。
「捻 …ヒネル」「撚 …ヒネル」(『類聚名義抄』)。
「松の木立高き所の東………横ざまに立てたる几帳のつらにゐたれば、外様にひねり向きて、いとあざやかなる独鈷(とくこ)をとらせて、うち拝みて読む陀羅尼もたふとし」(『枕草子(能因本)』:身をひねった)。
「兎(と)もすれば小難(むづ)かしい理窟を捻(ひね)りさうな気色が見える」(『社会百面相』「鉄道国有・其二」(内田魯庵))。
◎「ひのき(檜)」
「ひひのき(日火の木)」。二音目の「ひ」は退行化した。「ひ(日)」は太陽ですが、「ひひのき(日火の木)→ひのき」、すなわち、太陽の「ひ(火)」の木(き)、とはどういう意味かというと、世を明るくする火の木、その火でなにかを焼きもするでしょうけれど、世を明るくしたいときに日となる火を得る木、つまり、自然発火の火ではなく、人工発火・着火の火の木、です。後世でもそうですが、この木は油分が多く、古くから発火材として用いられている。摩擦発火の火きり棒・火きり板に用いる。また、材としての美しさや質の良さから、建築材としても高品質なものとされる。針葉樹たる樹木性植物の一種の名。たんに「ひ」とも言う。
「…麗(くは)し女(め)を 有(あ)りと聞(き)きて 宜(よろ)し女(め)を 有(あ)りと聞(き)きて 真木(まき)さく 檜(ひ)の板戸(いたど)を(避能伊陀圖鳴)…」(『日本書紀』歌謡96)。
「…田上山(たなかみやま)の 真木(まき)さく 檜(ひ)のつまでを(檜乃嬬手乎) もののふの 八十宇治川(やそうぢがは)に 玉藻(たまも)なす 浮かべ流せれ…」(万50:「つまで」は葉を落としただけの原木)。
「檜 ………和名非」(『和名類聚鈔』)。
「檜 ……ヒノキ ヒ」(『類聚名義抄』)。
「檜 比乃木」(『新撰字鏡』)。