◎「はこべら(繁縷)」

「はこべら(葉小へら)」。ここでいう「へら」は、犂(すき)の、土を掘り返す部分にある刃物状の部品のこと。葉の小さなへら(葉が小べら)の意。元来は「はこべらぐさ(はこべら草)」といったかも知れない。葉が、小さな、へらを思わせる形をしていることによる名。たんに「はこべ」とも言う。植物の一種の名。「春の七草」の一とされている。

「蘩蔞 ハコヘラ」(『類聚名義抄』)。

「正月廿三日…………わかなまいりぬ  …………七種ハ、薺、繁蔞、芹、菁、御形、須々代、佛坐」(『河海抄』巻第十三:薺(なづな)、繁蔞(はこべら)、芹(せり)、菁(かぶ:すずな)、御形(ごぎやう)、須々代(だいこん:すずしろ)、佛坐(ほとけのざ))。

 

◎「はざけ(挟け)」(動詞)

「はしはけ(挟し佩け)」。「はし(挟し)」に関しては「はさみ(挟み)」の項。「はけ(佩け)」は「はき(佩き)」の他動表現。何か(たとえば刀)を何か(たとえば具足)で挟(はさ)むような状態にし設置・装着すること。