◎「はがち(毀ち)」(動詞)

「はぎうがち(剥ぎ穿ち)」。何かを取り去り穴が開いたような状態にすること。古く樋(ひ:水路)を破壊する「ひはがち」という重大な犯罪行為があった。

「故(かれ)、素戔嗚尊(すさのをのみこと)、妬(ねた)みて姉(なねのみこと)の田(みた)を害(やぶ)る。春(はる)は廢渠槽(ひはがち)、及(およ)び埋溝(みぞうめ)、毀畔(あはなち)、又(また)重播種子(しきまき)す………………廢渠槽、此(これ)をば祕波鵝都(ひはがつ)と云(い)ふ」(『日本書紀』)。

 

◎「はかどり」(動詞)

「はかやどり(努果宿り)」。「はか(努果)」は努力の成果→「はか(努果)」の項(7月29日)。成果がそこにとどまっているような状態であること。

「眼(まなこ)を煩(わづら)ひ、善峯に来て養生すれどもはかどらず」(「浮世草子」『男色大鑑』:「善峯」は京都の善峯寺)。

「果敢取 ハカドル」(『書言字考節用集』)。