◎「にきみ(痤)」
「にくりみ(丹栗身)」。Rは退行化しつつ「くり」は「き」になった。皮膚の一部がそこだけ栗の実のように膨らみ凝り固まったようになり赤みを帯びていること。腫れ物。できもの。おでき。
「痤 ………和名邇岐美 小癤也」(『和名類聚鈔』)。
「しはすの廿餘日のころ、内に御にきみおはしまして、くすし(医師)ども参りなどして」(『栄花物語』)。
◎「にきび(面皰)」
「にきび(丹黍)」。「に(丹)」は赤系の色を意味する(その項・3月20日)。皮膚、とくに顔面、に赤みを帯びた黍(きび)の実のような状態が現れること、その粒のような状態になったそれ。毛根部からの脂肪がたまったものなのですが、雑菌が感染することもある。
「痤 ニキヒ」(『運歩色葉集』)。
「ひえのなき人のほにてるにきびかな」(「雑俳」『鷹筑波集』)。
「面皰 ニキビ」(『書言字考』)。