「てりや(照屋)」。光を発している家、のような意であるが、瓦(かはら)が光を反映することが印象的であったことによる名。古代の仏教関係の建造物はそれが特徴的であり印象的だったということである。
「是(こ)の時(とき)に、諸(もろもろの)臣連等(おみむらじたち)各(おのおの)君親(きみおや)の恩(みめぐみ)の爲(ため)に競(きほ)ひて佛舍(ほとけのおほとの)造(つく)る。卽(すなはち)是(これ)を寺(てら)と謂(い)ふ」(『日本書紀』:「佛舍(ほとけのおほとの)」(「との(殿)」は居住を中心にした利用を行う建造物を意味する)を、「寺(てら)」を、造る動機を「君親(きみおや)の恩(みめぐみ)の爲(ため)」と言っている。たとえば天皇が重い病の状態になったとき、寺が立てられたりする。そこで僧たちが経を唱することその他の作法などをすることで病の平癒を起こそうとする。つまり、すくなくとも当初の一般的な動機は、仏教を学び思索し研究するため、そのために僧がそこで生活するため、といったようなものではなく、その霊的な力とでもいうような力を働かせるために寺(てら)は建てられた)。
「寺 ……テラ」(『類聚名義抄』)。