「でコウボツコウ(出口没口)」。「コウ」は「口」の、「ボツ」は「没」の、音(オン:どちらも漢音)。「口」(くち)の字の上辺が出ているのが「凸(トツ)」の字、没している(沈んでなくなっている)のが「凹(アフ)」の字、という表現により「凸凹」を表したもの。凹凸(アフトツ)のある状態を言う。「でくぼく」という語もありますが、「ク」は「口」の呉音。似た語で「だくぼく」がある。これは「ダックボック(脱口没口)」。脱(ダツ)は口(ク)を脱(ダッ)する(抜け出る)、没(ボツ)は口(ク)へ没(ボッ)する(沈み込む)。ようするに、「でこぼこ」と同じことを言っている。「だくりぼくり」は「だくぼく」に情況を表現する「り」のついたもの。
「…其横に煤(くす)ぼった凉炉(しちりん)が有って凸凹(でこぼこ)した湯鑵(やかん)がかけてある」(『二少女』(国木田独歩))。
「一 路の高びくなることを、だくりぼくり、だくぼくなどいふは…」(『かたこと』)。