◎「つぶやき(呟き)」(動詞)

「つぼゐよわはき(壺居弱吐き)」。壺の中に居るように(まるで周囲に誰もおらず一人であるかのように)、弱く(何者かに伝えようとする明瞭さや発声の強さが乏しく)何かを言うこと。

「六条院には、御文をぞ二度三度たてまつりたまふを、『いつのほどに積もる御言の葉ならむ(いつのまに言葉がこんなに積もるのか)』とつぶやく老い人どもあり。」(『源氏物語』)。

 

◎「つぶら(円)」

「ちうめふるわ(路埋め振る輪)」。「ふり(振り)」は感じさせることであり、割り当てること、配分すること。「ふる(振る)」はその連体形。「ち(路)」は方向性を表現する。あらゆる方向性に配分しその配分を埋め満たしている、すべてが同じに配分されている、と感じられる輪(わ)。真円。

「冬十月(ふゆかむなづき)、磐余(いはれ)に都(みやこ)つくる。是(こ)の時(とき)に當(あた)りて、…………物部(もののべの)伊莒弗(いこふの)大連(おほむらじ)・圓 圓これをば豆夫羅(つぶら)と云(い)ふ 大使主(おほみ)、共(とも)に國事(くにのこと)を執(と)れり」(『日本書紀』)。

「其処(そこ)ニ圓ナル小山有キ。其処(そこ)ヲ都不良ト号(なづけ)キ」(『倭姫命世記』)。

「つぶらな瞳」。