「うちツウブうちツウブ(内通部内通部)」。「ツウブ(通部)」は、「全」を意味するそれ(「つぶ(全)」の項・6月26日)ではなく、「部(ブ)」、部分域、を通過する、の意。連音は動態の持続を表現し、「うちツウブうちツウブ(内通部内通部)→づぶづぶ」は、何かの内を奥へ奥へと入っていくことを表現する。これは、正体がわからなくなったり、見えなくなったり(沈みこんでいったり)する状態も表現する。

「『エイエイヤツトナ。どんぶり、づぶづぶ、づぶづぶ、づぶづぶ』『をを、其当りは深さうな』」(「狂言」『丼磕(どぶかつちり)』)。

「又あみを入れむとして、ふみはづすが如くにして、つぶつぶと水のそこに沈みけるを…」(『吉野拾遺』)。

「づぶづぶ醉うた足本」(『山崎与次兵衛寿の門松(―ねびきのかどまつ)』:これは泥酔している(正体がなくなっている))。