◎「つづき(続き)」(動詞)

助動詞に現れている「つ」によって表現される同動は動態の連動も表現しますが(→「つ(助動)」の項・3月30日)、その「つ」が二音重なり連動連続を表現する擬態となりその動詞化が「つづき(続き)」。すなわち、動態や形態が空間的時間的に連続進行すること。「Aがつづく」はAの動態や形態が連続進行する。「Aにつづく」は他のBがAの動態や形態で連続進行する。

「『……なよびけしきばみたる(優雅に取り澄ました)振る舞ひをならひはべらねば、人伝てに聞こえはべるは(人を介して申し上げたのでは)、言の葉も続きはべらず』」(『源氏物語』)。

「世界廣(広)しとはいへども、我が唐土(もろこし)の五岳につづける大山(たいさん)は有るまじきと有りければ…」(『風流志道軒伝』)。

 

◎「つづけ(続け)」(動詞)

「つづき(続き)」の他動表現。続く状態にすること。

「針袋帯びつつけ(都都気)ながら里ごとにてらさひ歩けど人もとがめず」(万4130)。

「『やまとうたはあしあしもつづけ侍りなん。むねむねしきかたのことは(権威的なことの方は)…』」(『源氏物語』:やまとうたは下手ですが自分で言葉をつないでいきましょう)。