◎「つづ(十)」

「つちつ(土つ)」。「つち」の「つ」、つまり、「土(つち)」の字の上(上の部分)、の意。つまり「十」(数詞の十(ジフ))。意味指示性の弱い語であり、「つづやはたち(二十)」と言われた関係で「十九」を意味すると思われたりもしている。

「十(トヲ)をつつといふ事  文選の古き訓に、十をツツとよめり…」(『玉勝間』)。

「Tçuzzu(ツヅ).………¶Tçuzzu fatachi(ツヅハタチ). …tçuzzu nijŭ(ツヅニジュウ). vinte annos de idade(20歳)」(『日葡辞書』:これは「つづはたち」という言い方全体が二十歳を意味すると思われたということでしょう)。

 

◎「づつ(助)」

「つつつ」。最後の「つ」は動態の連動を表現する。なにが連動するのかというと、「つつ」が連動する。前二つの「つ」たるこの「つつ」は確認・完了の「つ」が二つ並んでいる。並ぶことで連続が表現される。つまり、「つつつ→づつ」は、「つつ」が連動する。一つ一つの完了の連続が連動する。たとえば「全員に一人二個づつ配る」は、二個帰属、二個帰属、二個帰属…という連続が連動する。これは平安時代以降の表現。

「鳥の子を十づゝ十は重ぬとも思はぬ人をおもふものかは」(『伊勢物語』:「鳥の子」は卵)。

「(近き御厨子なる 色々の紙なる文どもを)片端(かたはし)づつ見るに…」(『源氏物語』)。

「少しづつ寒さがやはらぐ」。