◎「つき(朱鷺)」
「ちうき(血浮き)」。これは鳥の名ですが、羽を広げると、その裏側が、赤く、血が滲み広がり浮きでたようであるから。この鳥は後には一般に「とき」と言われるようになる。「とき」は「たをくひ(田魚食ひ」か。
「鳭 ……和名豆木」(『和名類聚鈔』)。
「鳭 タウ ツキ」(『色葉字類抄』:「つき」は「たう」とも言われている。「たう」は「たへゐ(田辺居)」か。(餌を探し)田の辺りに居るから。「鳭(タウ)」という表記はこの「たう」の音により利用されたものでしょう)。
◎「つき(坏)」
「ていき(手行き)」。手へと行き(人が手に持ち)用をなす食器。典型的には、酒を飲む盃(さかづき:酒坏)。
「験(しるし)なきものを思はずは一杯(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあるらし」(万338)。
「𤮜 ………俗語云 都岐乃波太 器縁謂口辺也」(『和名類聚鈔』)。