◎「ちゃらんぽらん」
「チャランハウラン(茶乱呆乱)」。「チャ(茶)」は誠実な対応や処理をしないことも意味する(→「ちゃ(茶)」の項)。物事が、いい加減で、誠実な知的処理などなく、呆(ハウ)けていて(知能などなく呆れるようで)、混乱していること。「ちゃらほら(茶等呆等)」という語もあり、「ほら(を吹く)」にも通じ、思いつきで適当に言うでまかせを意味する。
「ちやらんぽらんのお経の文句。カカポコカカポコあほだら経」(『西洋道中膝栗毛』)。
◎「ちゃり」(動詞)
「ちゃ(茶)」の動詞化。「ちゃ(茶)」はその項。意図的に無意味なことをすること。
「…と笑へばお十もホゝゝゝゝ与八様とした事が、余りちやつて下さんすなと…」(「浄瑠璃」『難波丸金鶏(なにはまるこがねのにはとり)』)。
◎「ちゃりんこ(自転車)」
「ちゃりん」は「シャリン(車輪)」の幼児表現。「こ」は、「ゼニこ(銭こ)」「べこ(牛こ)」のような、確認的にこれを示す「こ」。これは自転車の俗称ですが、幼児表現によりこれを馬鹿にして、それに乗っている自分を卑下的に、表現したもの。なぜ馬鹿にするのかと言えば、自動二輪車(オートバイ)と比較して、ということです。つまり、オートバイにも乗る者たち(若者でしょう)が自転車をそう言ったということです。自転車の俗称に「けった」もある。これは、ケチな単車(タンシャ)→けったん、でしょう。「ちゃりんこ」と同じようにして生まれている言葉です。