◎「たっけ」
「~たとかえ」。「と」は助詞。最後の「え」は疑問や不知状態にあることを表現する発声。なにかを考え、想状態になる。
「コレおとみさん、やげんぼりからことづけがあつたッけ」(「洒落本」『妓者呼子鳥』)。
「『こないだそう言ったよね』『そんなこと言ったっけ』」
◎「だっけ」
「~だとかえ」。「と」は助詞。最後の「え」は疑問や不知状態にあることを表現する発声。なにかを考え、想状態になる。
「『…何(なん)でも、大雪の積もつた寒い晩だつけが…』」「『エゝ、アノ、何さ、肇(はじめ)は雪女だつけが、抓合居(つかみあつて)る間(うち)に、丈五六丈斗(ばかり)の座頭になつたはな…』」 (「滑稽本」『浮世風呂』)。
「『今日の当番、きみだっけ』『ちがうよ』」。
◎「たつごも(立薦)」
「たていみこも(立て斎み薦)」。立てられた斎(い)みとなる薦(こも)、ということですが、それを立てると、立てられたその域がおかしてはならない斎(い)みとなる薦(こも)。「薦(こも)」は植物名(その項)ですが、この場合はその葉を編んだものを意味する。それは敷物などにももちいますが、ここでは、それを立て、壁のような、幕のようなものとする。
「多遅比野(たぢひの)に寝むと知りせば立薦(たつごも:多都碁母)も持ちて来(こ)ましもの寝むと知りせば」(『古事記』歌謡76)。
「傳壁 ………以席傳著於壁也(敷物をもって壁として広げ設置する)……防壁 多都古毛」(『和名類聚鈔』)。