◎「そびれ」(動詞)
「しおびれ(為おびれ)」。「おびれ」は、感覚的な反応機能が衰えた状態になること(→「おびれ」の項・2020年11月12日)。何かの動態表現に添えて言われ、その動態自体が感覚的な反応機能が衰えた状態にあることを表現する。動態自体が動態として失敗したような状態になる。
「言ひそびれ」。「寝そびれ」。
◎「そうづ(添水)」
「サウつつ(操筒)」。操(あやつり:機関的工夫)のなされた筒(つつ)、の意。斜めにした竹筒に水が溜まり、ある程度溜まると下落し水が排出され、反転し竹が竹その他を打ち音を発する装置。田などで鳥獣を逐(お)う装置。「ししおどし(獣威し)」とも言う。同音の「噪(サウ)」には騒音を発する意味もあり、それらにより案出された名。この「そうづ」はどこかの文人趣味の者が案出した名でしょう。
この語は「そふづ」とも言われますが、正しくは「そうづ」でしょう。また、この語は「そほど・そほづ」(案山子:かかし)とは関係がない。
「月細うこほし減して添水哉」(「俳諧」)。