◎「そびか(繊)」
「しひおびひか(廃ひ帯び光)」。「しひ(廃ひ)」は2022年12月12日。「しほびか」のような音(オン)を経つつ「そびか」になった。存在としての無効化傾向がありながら輝きがある。痩せていたり細かったりするが美しさがある。
「紅の色のそびかなりし肘(ただむき)は忽(たちま)ちに朽ちたる骨となりぬ」(『東大寺諷誦文稿』)。
◎「そびやか」
「そびか」(その項)の「そび」が、「しづか(静か)」や「おろか(愚か)」などのそれのような、擬態のように受け取られ生まれた表現。細く、美しさがあること。
「姫君はまだ小さくおはするが、あてにそびやかなる御かたちの御ぐしたけに少し余りたり」(『宇津保物語』)。
「らうたげに、白くそびやかに、柳を削りて作りたらむやうなり」(『源氏物語』)。
「そび」に関しては「そびそび」という表現もある。細くすらりとしていること。