◎「そね(确)」

「いしふをね(石生尾根)」。「い」の退行化。(ある程度の大きさの)石が生ひ(生えたようにある)尾根(をね:山頂が連続している域)。

「浅茅原(あさぢはら) 小确(をそね:鳴贈禰)を過ぎ…鐸(ぬて)ゆらくもよ 置目(おきめ:人名)来らしも」(『日本書紀』歌謡85)。

「Sone ソ子 n. A rocky hill(岩丘)」(『改正増補 和英英和語林集成』)。

「埆… ……又确字 曾禰」(『新撰字鏡』)。

 

◎「そねみ (嫉み)」(動詞)

「そにえみ(背煮え見)」の独律動詞化。「そ(背)」は期待逆行にあることを表現する→「そ(背)」の項(7月4日)。「そにえみ(背煮え見)→そねみ」は、期待逆行にある情態で煮えるような思いで何かを見る。それを嫌い憎んでいる。深く嫉妬していたりすることもある。

「妬 …ネタム ソネム…」「慊 ……キラフ ソネム…ウラム」「憎 …ニクム ソネム」(以上『類聚名義抄』)。

「はじめより我はと思ひあがり給へる御かたがた、めざましきものに、おとしめそねみ給ふ」(『源氏物語』)。

「爰(ここ)に天亦(かつ)嫌(そね)み,地復(また)惡(にく)む」(『日本霊異記』)。

 

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