◎「しゃべり(喋り)」(動詞)

「シャべり(捨べり)」。「シャ」は「捨」の音(オン)。意味は、捨(す)てること。「べり」は「べろ(舌)」の動詞化。意味は、言語活動すること。その俗語的表現。「シャべり(捨べり)→しゃべり」は、捨てるように舌を動かすこと、捨てるような、何の役にもたたない捨てもののような、言語活動を行うこと。言われたこと、話されたこと、語られたこと、にくらべ、しゃべられたこと、は、事実上、ほとんどすべて、記憶にさえ残らない。

「『口は達者にべヱらべヱら喋(しやべ)つて、人が一言(ひとこと)いへば十言(とこと)程(ほど)づつ口答(くちごてへ)をするが…』」(「滑稽本」『浮世風呂』)。

「Xaberi(シャベリ),ru(ル),betta(ベッタ). Chalrar,& palrar muito(しゃべる、口数多くしゃべる)」(『日葡辞書』)。

 

◎「じゃみ」(動詞)

「ジャマみ(邪魔見)」。意味は、「邪魔(ジャマ)」(※)を見ることであり、邪魔を経験すること。事態進行に阻害要因が入り、ことが運びにくくなったり、運ばなくなったりすること。

(※)「邪魔(ジャマ)」は、元来の意味は、邪見によって仏道に障害・阻害を生じさせる悪霊・悪魔のようなものを言いますが、通俗的な意味発展として、一般的に妨害や障害となるものやことも言う。

「高(たか)が其(その)客は此(この)井筒の内の客、爰(ここ)の亭主が呑込(のみこん)で(承諾して)、相談の出来ぬ様に、ちやちや入(いれ)たら(身請の話は)じゃみそうな事、其亭主を抱込(だきこむ)様は…」(「浄瑠璃」『お花半七 京羽二重娘気質』)。

「『イヱ、わつち等(ら)は岡場所の土妓(ばいじよ)衆と旁輩(ほうばい)には得成いせん』とつつはれば(突っ張れば)、此(この)相談はじゃみる筈なり」(「滑稽本」『風来六部集』:台無しになる。「ばいじよ)」は「ばいぢょ(売女)」であり、いわゆる、売春婦)。

 

◎「しゃぶり」(動詞)

→「しはぶり」(2022年12月7日)の項。

◎「しゃり」

→「さっしゃり」の項(2022年7月8日)。

◎「しゃれ(洒落)」

「され(曝れ)」の変化。その項(2022年8月17日)参照。

◎「じゃれ(戯れ)」(動詞)

「ざれ(戯れ)」(2022年8月18日)の変化。語感が強まり、「ざれ(戯れ)」よりも印象は幾分あくどかったりしつこかったりする。