◎「しばたたき(瞬き)」(動詞)

「しみまたたき(滲み目叩き)」。(目に)何かが滲(し)みたように瞬(またた)き(目叩き)をすること。しきりに瞬(またた)きをすること。音(オン)は「しばだたき」にもなり、「た」が一音なくなり「しばたき」にもなる。

「猿、顔を赤めて、目をしば扣(たたき)て、歯を白く食出して、涙を垂て手を摺(すれ)ども…」(『今昔物語』)。

 

◎「しはに」

「しへあなに(為経穴土)」。「へあ」が「は」になり「なに」は「に」の一音になっている。「しへ(為経)」は、為(す)ることを経過した、ということですが、これは穴に関して言われており、穴に関しすることとは、穴を掘ることです。「しへあなに(為経穴土)→しはに」は、掘ることを経過した穴の土(に)、穴の深い部分の土(に)、ということ。これは『古事記』歌謡43にある表現であり、その「しはに」は黒っぽいと言っている。

「初土(はつに)は膚(はだ)赤(あか)らけみ しはに(志波邇)は丹黒(にぐろ)き故(ゆゑ)…」(『古事記』歌謡43)。