「ひし」の動詞化。「ひ」の脱落。「ひし」はH音とI音、そしてS音の動感、による感覚進行と動感進行より凝集し密着していく動態を表現する擬態。「ひしき」はその動詞化であり、何かとの関係が「ひし」の動態になること。何かとの関係が一体化していくような密着していく関係になること。「追ひしき」は追いつく状態になる。語頭に進行感を表現する「い」のついた「いしき(い及き)」という表現もある(「いしけ(斯祁)、いしけ」(『古事記』歌謡60:及べ及べ。追いつけ追いつけ))。

「銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝(たから)子にしかめやも」(万803:子に及ぶか?(及ばない))。

「百聞は一見に及(し)かず」。