◎「うるしね(粳)」
「うるしひいにゑ(うる廃ひ去に餌)」。「しひい」は「し」の一音になり「にゑ」は「ね」になった。「うる」は、不満や不平を言うこと、不満や不平を言う者、を意味する「うる」という語がありました→「うる」の項(7月28日など)。「しひ(廃ひ)」は機能不全や機能不能になることを意味します。「いに(去に)」は去るようにどこかへ行きいなくなってしまうこと。「ゑ(餌)」は食べ物を意味します→「ゑ(餌)」の項。「うるしひいにゑ(うる廃ひ去に餌)→うるしね」は、不平不満や不平不満を言う者が無機能・無効化しいなくなってしまう食べ物、の意。つまり文句ない食べ物ということであり「いね(稲)」(「いひいにゑ(言ひ去に餌)」)や「うるち(粳)」に言っていることが似ています。植物の一種、そしてその実、の名。「いね(稲)」の別名と言っていい語です。
◎「うるち(粳)」
「うるうちいに(うる打ち去に)」。「うるちに」のような音を経つつ「に」の音はなくなった。「うる」は不満や不平を言うこと、不満や不平を言う者、を意味する「うる」という言葉があった→「うる」の項(上記)。「うち(打ち)」は何かを現実化し現すこと→「うち(打ち)」の項。「うるうち(うる打ち)」は不平不満や不平不満を現す者、の意。「いに(去に)」は去るようにどこかへ行きいなくなってしまうこと。これは食べ物に関し言われており、つまり「うるうちいに(うる打ち去に)→うるち」は、不平不満や不平不満を現す者がどこかへ行きいなくなってしまうもの・食べ物、の意。植物の一種、そしてその実、の名。これは米を意味し、特に後には餅米(もちごめ)以外の米を言うことが一般的になっていますが、それは、米の中に「もちごめ(餅米)」があり、それと識別するための名を求めたとき「もち」と語尾音が同じ「うるち」が選択された、ということでしょう。