◎「うま(馬)」

「みうむは(見倦む歯)」。「むむま」のような音(オン)を経、語頭の子音が退化し「うむま」のような音(オン)になった。見ていてうんざりするような歯のもの、の意。すなわち歯が大きいということ。それが印象深い動物だったわけです(その歯をむき出すような嘶(いなな)き方をする)。「むま」とも言う。「うみは(倦み歯)→うま」(見ていて倦む歯のもの、の意)という表現があった可能性もあります。動物の一種の名。

「うま(宇摩)ならば日向(ひむか)の駒(こま)」(『日本書紀』歌謡103)。「馬 ……和名無萬(むま)」(『倭名類聚抄』)。

この語の語源は「馬」の音(オン)とする説が多いです。「馬」の音(オン)は「むま」にはならないだろうとは思いますが、そういう説が多いです。日本に伝わっている「馬」の音(オン)は呉音「メ」、漢音「バ」、唐音「マ」です。

 

◎「うまご(孫)」

「うみまこ(産み間子)」。産みに間のある子。「う」が脱落し単に「まご(孫)」とも言う。さらに、子孫一般も言う。発音としては「むまご」とも言う。「孫…子之子爲孫…和名無萬古(むまこ) 一云比古(ひこ)」(『倭名類聚抄』:「まご」は「ひこ」とも言うということ)。