「うはべあみ(上辺網)」。上辺が網の印象のもの、意。網目錦蛇(あみめにしきへび:東南アジアからインド方面に生息する)の印象。体表が網目状の模様を描いたようになっている大きな蛇です。これが大蛇を意味します。
「蚦(※)蛇 埋頭蛇 南蛇 和名 仁之木倍美 俗云 宇和波美」(『和漢三才図会』巻四十五龍蛇部:「蚦」の原文は虫偏に「冉」なのですが、たぶん同字と思われます)。この『和漢三才図会』の説明によれば、蚦蛇(うはばみ)は身に錦織のような斑紋があるといいます(だから「仁之木倍美(にしきへび・錦蛇)」)。また「埋頭蛇」はこの蛇は頭を上げないからだといいます。ちなみに、『和漢三才図会』に描かれる「蚦蛇」の絵には角が生えています。「うはばみ」には、大酒飲み、という俗説的な印象もありますが、これは、、蛇の、獲物を丸呑みにする習性の印象にもよっているでしょうし、酒を飲んで成敗されたヤマタノヲロチのイメージにもよるものでしょう。
※ 「うはばみ (蟒蛇)」の絵があるサイト。
『和漢三才図会』 巻第21−52-国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/898184
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