「うけひ(請け日)」の動詞化。「ひ(日)」は太陽ですが、これが象徴的に宇宙の運行や宇宙の意思のようなものを表現します。「うけ(請け)」は帰属の認容確認を表現しますが(4月23日)、「うけひ(請け日)」すなわち、帰属の認容確認をした宇宙の意思、それが自分に帰属することを容認し確認した宇宙の意思、とは、これから起こることの未知に自己の意思を表明し、それが自己の意思であり宇宙の意思でもあることが保障される意思です。それを行うことが動詞たる「うけひ(祈誓ひ)」。どういうことをするかというと、未知の、これから起こることに自己の意思を表明し、それが自己の意思であり宇宙の意思でもあることを保障することです。たとえば、行くべきか否か迷っているとき、木の頂上の鳥が東へ飛べば行き、西へ飛べば行かぬと言う。そしてそのとおりにする。あるいは、嫌疑を受けた女が、私が潔白なら私に女の子が生まれるだろうと言うのも「うけひ」。あるいは、今日あの人の夢を見たらこの恋は成就する、と確かに思って寝るのも「うけひ」。「うけひて寝(ぬ)れど夢に見え来ぬ」(万767)。後世では、意味発展的に、ひとを呪う(「つみもなき人をうけへば…」(『伊勢物語』))、や、祈りが聞き入れられる(「夜ひるまうでてちか言(誓言)す。はたうけひ給ひて…」(「読本」))、といった意味でも用いられるようになります。

「天照大神(あまてらすおほみかみ)詔(みことのりたま)ふ。『然(しか)らば汝(な)が心の清く明(あか)きは何(いかに)して知らむ』。是(ここ)に速須佐之男命(すさのをのみこと)答へて曰く。『おのおのうけひて子生まむ』」(『古事記』)。