「いきどははし(息処ははし)」。「いきど(息処)」は息をする処(ところ)であって、喉(のど)のあたりです。「ははし」の「はは」の「は」は呼吸を表現する擬態。「ははし」はそれが連動的に激しいこと、呼吸が(苦しげに)激しくなっていることを表現します。「ぜんそく持ちや大きな坂を登る人のように、苦労して呼吸する」(『日葡辞書』・「Iqiddauaxi(いきだはし)」の解説)。「病人を看護婦にあづけて、朝から籠ってゐた息だはしい病室を出て来た」(徳田秋声『爛』)。

「いきだうし」(シク活用)という表現もあります。これは「いきどはゆゆし(息処は由々し)」。「は」は呼吸を表現する擬態。呼吸の激しさが尋常ではないこと。