「あやはひうし(怪這ひ憂し)」。「あや」は「あやし(怪し)」にもなっているそれであり、疑惑が次々と浮かんでくる状態であることを表現します→『音語源』あるいは以前の投稿(2019.07.05)の「あぶなし(危なし)」の項。「あやはひうし(怪這ひ憂し)」は、疑惑感が次々と浮かぶ情況にあり憂鬱な空虚感・不安感に襲われていることを表明します。確信性・確かさ、がなくなっていく情況にあります。「雷火おびたたしう燃えあがつて、宮中すでにあやふく…」。

知が及ばず判断できない(そこには深刻な意味があるかもしれない)という思いが萌え心情・動態が消極的になることが無い。これは警戒心が欠落しているという意味にもなり、それは、危険、という意味になります。

「あやふし(危ふし)」と「あぶなし(危なし)」はどう違うのだという議論もありますが、「あぶなし(危なし)」は「知が及ばず判断できない(そこには深刻な意味があるかもしれない)という思いが萌え心情・動態が消極的になることが無い。これは警戒心が欠落しているという意味にもなり、それは、危険、という意味になります」(上記の以前の投稿)ということであり、「あやふし(危ふし)」は疑惑や判断不能な(どうなるかわからない)思いが浮かび不安になる、ということです。