「あめら(天ら)」。子音のR音は退化しました。「ら」は情況を表現します。「あめら」は「あめ(天)」の情況にあるもの、の意。「たかあまがはら・たかまがはら(高天原)」、「あまのがは(天の川)」。これは「あめ(天)」の語尾がA音化してその情況にある何かを表現しているというわけではなく、「あめ(天)」を複数化したような表現であり、その尊称とでもいうようなものでしょう。語尾がA音化してその情況にある何かを表現する、とは、「あれ(荒れ)→あら(あらの・荒野)」、「あめ(雨)→あま(あまがさ・雨傘)」、「さけ(酒)→さか(さかぐら・酒蔵)」といったようなもの。「あまのいはやと(天岩屋戸)」などは「あめのいはやと(天岩屋戸)」とも言いますが、「あめ~」が原形であり、「あま~」は多少権威化した多少後のものでしょう。