「あはふゆふうち(淡斑夕打ち)」の音変化。「うち(打ち)」は現すこと、現実化することを意味します(→『音語源』「うち(打ち)」の項)。希薄な、斑(まだら)の、夕光を、現すもの、の意。木全体に咲いた花の色彩と様子の印象による名。この花の色はぼんやりとした薄紫です。これは樹木の一種の名ですが、「(日本で言う)栴檀(センダン)」の古名。日本で言う「栴檀」と中国で言う「栴檀」は別の樹木です。「栴檀(センダン)は双葉より芳(かんば)し」の「栴檀」(香木)は中国のそれであり、「あふち」ではありません。「妹が見しあふちの花は散りぬべし…」(万798)。