「あふぎコン(仰ぎ棍)」。「ぎ」の無音化。「棍(コン)」は棒状のもの(「棍棒(コンバウ)」のコン)。(バランスを取りつつ体勢が)仰ぐ(上向く)ような印象になる棒状のもの、の意。(両端につけた)重いものを担い運ぶことに用いる丈夫な棒状・竿状のものを言います。いわゆる天秤棒。「あふご」とも言います。

「人恋ふることを重荷とになひもて(担いもって)あふごなきこそわびしかりけれ」(『古今集』:「あふご」と「逢ふ期(あふゴ)」(会う機会)がかかっています)。「中国及四国にてあふこと云。江戸にててんびんぼう」と『物類称呼』(十八世紀の辞書)にありますが、そういうことなのでしょうか。