◎「あひだ(間)」(1)

 「あひつは(間つ端)」。「あひ(間)」は『音語源』のその項。「つ」は所属を(同動を)表現する助詞。「は(端)」は部分域。「あひ(間)」たる部分域。「木と木のあひだに海が見える」。「あひだ(間)」には或る事情にあることを表現したりする「あひだ」がもう一語あります。

◎「あひだ(間)」(2)

 「あひつら(合ひ連)」。「あひ(合ひ)」の情況が連続的に同動している、「あひ(合ひ)」という動態が同動している、情況。合っている(双方に関係のある)空間的(物的)・時間的・社会的領域。「留守のあひだ」は、「あひだ」が何かと何かの関係を意味することから、時空Aと時空Bとに関係した限定的時空がありそれが「留守」の情況にあることが表現されます。「尋ね求むるあひだ、大和の国にくだる」などという場合は、尋ね求める時間的限定域にあることが表現されているわけではなく、これは尋ね求めるという情況の限定域にあることを表し、尋ね求めるという情況のもとで(そういう事情で)大和に下っていることが表現されます(限定的な(特定の)空間域でも時間域でもなく、特定の情況域に(或る事情に)あることが表現されます)。また「彼とのあひだ」というような言い方で「関係」が表現されることもあり、「念仏のあひだのこと」というような言い方が念仏の関係のことを意味したりもします。「このあひだ(此の間)→こないだ」は「こ」の一音である現実感のある特定の時空域を表現しています。