「あななひ(足場)」の語源 「あなになひ(己荷ひ)」。「になひ(荷ひ)」は荷の務めを負うこと(→『音語源』「になひ(荷ひ)」の項)。「あな(己)」は自己の客観的な表現(→『音語源』「あな(己)」の項)。「あなになひ(己荷ひ)」は、私(自分)を担(にな)うもの、という意味ですが、これを(何かが自分を担っている、と)客観的に表現したもの。高いところへ手を届かせようとしたり登ったりする際に用いる足掛かり・(装置たる)足場を意味します。これが動詞化した動詞たる「あななひ」もあります。意味は誰かの足場になるように人の補助をすること。「男(をのこ)ども廿人(二十人)ばかりつかはして、あななひにあげ据え…」。「すめらみかど(朝廷)をあななひ扶(たす)け…」。