「あていれあへ(あて入れ合へ)」。「あて」は期待や見込み(→「あて(当て)」の項)。これは連用形名詞化。「あていれあへ(あて入れ合へ)→あつらへ」は、その期待・見込みを(相手に)入れ(相手の期待や見込みをそれに)合わせる・一体化させる(相手をその意思に融合させる。人を期待充足通りに思わせる)努力をすること。「あつらへたる様(ヤウ)にかしこの人の集まりたる…」。ただ他者の意思を期待充足通りに思わせることだけではなく、他者にその意思で何かを製造させること(何かをしてもらうことも)、そうした方法で何かを製造すること(何かをすることも)、も「あつらへ」と言います。「人にあつらへても祈れ」(人に依頼して祈る)、「新しい背広をあつらへ」。似た言葉に「あとらへ」があります。