「あつゆゆし(篤由々し)」。重篤な状態であることを表現します「あつ(篤)」という独立した表現があったものと思われます(→『音語源』「あつ(篤)」の項。本ブログ4月27日)。ひどく(たとえば老衰で)衰弱していること、ひどく病が重くなっていることなどを表現します。「あづし」とも言います。これはシク活用の形容詞なのですが、ほかにク活用の「あつし」もあり、これは「あつ(熱・暑・厚)」の形容詞化です。「今日は暑いねぇ」などというそれであり、これに関しては特に説明は不要だと思います。活用語尾「し」に関しては『音語源』「し(形容詞語尾)」の項。

 「あつ(篤)」では「あつしれ(衰れ)」という動詞などもあります。これは「あつしれ(篤痴れ)」。病気や老いなどで体力や判断力が失われ弱っていること。

 

※『音語源』のあるサイト(言語や歴史の原稿を扱うサイトです) http://kaitahito.world.coocan.jp/

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