「ああつひゆ(『ああ…』潰ゆ)」。「つひゆ」が「つ」の一音になっているわけです。『ああ』という嘆声さえなくなること。病気などで人が重篤であること。そうした重篤な状態であることを表現する「あつ(篤)」という独立した表現があったものと思われます。「あついたまふ(あつい給ふ)」という表現がありますが、これは「あつ、いたまふ」であり、「い」は「いかよふ(い通ふ)」のそれのように「い」の進行感により動態の連続・持続を表現し、ずっと重篤でいらっしゃる、の意。また、これによる「あつえ(篤え)」という動詞もあり「あつえひと(篤え人)」はこれによる病気(や老衰)などで重篤な人。