魚の一種の名です。「あやちち(文鉤鉤)」。「あや(文)」は年輪のように幾重にも輪が重なったような印象を表現します。「ち」は釣り針を意味します(→『音語源』「ち(鉤)」の項)。「ちち」と音が重なっていることはそれが複数であることを表します。「あやちち」はある種の魚の側面にある小さな鉤状突起の一連の印象。生物学における分類学上鯵科に属す魚は多種ありますが、歴史的に「あぢ」と呼ばれる魚はその体側面に一連の鉤状突起があるものだけです。