これは古代からある関東・東北方面(東国)での方言的表現です。 「あわはぜ(泡爆ぜ)」。(水の)泡が爆(は)ぜ(消えてなくなり、ということですが、これが思考が空虚になっている状態を表現します。思考が空虚になり動態があれば「なにゆえに」「動因・原因不明」ということであり、容態に関し思考が空虚なら「どのように」という意味になります。「…わが背なはあぜそも今夜寄しろ来ませぬ」(万3469:占いでは確かに来ると出たのにあの人はなにゆえに来ない)、「白雲の絶えにし妹(いも)をあぜせろと(どうしろと)心にのりてここばかなしけ」(万3517)。『東海道中膝栗毛』の遠州(静岡県)の場面でも「あぜ」が出てきます。