「あししひいみ(足廃ひ忌み)」。M音のB音化。ここでは「いみ(忌み)」は警戒することを意味します。足が機能不全・不能になることを警戒するもの、の意。「しひ(廃ひ)」に関しては『音語源』のその項。これは植物の名ですが、毒性があり、特に牛馬が、とくにこの葉を、食べると中毒を起こし身体が麻痺し歩行も進まなくなることを警戒した名。「あせび」とも言います。これは「あししれいみ(足痴れ忌み)」。「れ」のR音が退化しつつ「しれ」が「せ」になりました。意味は同じと言っていい状態ですが、「しれ(痴れ)」は「しひ(廃ひ)」の活用語尾が変化した動詞であり、どちらが由緒ある古い語かと言えば「あしび」。