◎ 「あせやれ(褪せ破れ)」。存在感が虚無化し(褪(あ)せ)破綻した(破(や)れた)情況になること。褪せ(不活性化し鮮度が失せ)全体的に破(や)れ崩れた印象になること。魚肉などが腐り崩れたりしていることを表現します。

 

◎「あさやれ(浅破れ)」。浅く破(や)れた(壊れた)印象になること。ふざけたり、くだけた調子であったり、期待や予想や常識に反していたりします。しかし深刻なものではなく、軽い調子のものです。それゆえにしゃれた印象を受けたりすることを表現し和歌などではそれが優れていることとして評価されることもあります。「公け様は少したはれてあざれたる方」。「あざれたる袿(うちき)」(くだけた調子の袿)。

四段活用の「あざり(戯り)」もあります(からかうような言動や自分の失敗を笑い話のようにふざけた調子で話したりするような言動をすることを表現したりします。「たとへば、我身にちがひなどあるとき、そのおりのしゅびを、すこしもかくさず、いちいちあざりていふ類なり」)。