「あぜさなひ(交ぜさ綯ひ)」。「ぜさ」が「ざ」の音になりました。「さ」はS音の動感とA音の全体感により情況たる何かを指し示します。「あぜさなひ(交ぜさ綯ひ)」は「あぜ(交ぜ)」の情況に綯(な)ふこと。「あ」の完成感、それによる一体感、による「あぜ(交ぜ)」という動詞がありました(田の「あぜ(畦)」という言葉にもなっています。ただし、「あぜ(畦)」は畦路(あぜみち)が交差するわけではありません。田の面と面が交差し一体化します)。これが交差感を表現します。交差は何かと何かが部分的に一体化するのです。その一体感が「あ」によって表現されました。「なひ(綯ひ。成ひ、と書いてもよいのですが)」の「な」は、「なる(成る)」その他のそれであり、客観的な形成的完了感を表現します。「あぜさなひ」は、なにかを交差するように一体化していくこと。「禍福はあざなへる縄のごとし」。