空虚感を表現する「あ」。空虚感に関しては以前にここでも「あえ(落え)」で触れられ、『音語源』※のその項にもあります。空虚であるとは実態感や充実感がさほど感じられないということです。「さ」は一般的に何かを指し示し、「あ」の全感により何かを指し示すことはそうした情況であることも表現します。「あさし(浅し)」はそうした「あさ(浅)」の形容詞表現。基本的には、空虚感が感じられるものやことであることを表現します。この「あさ(浅)」と「うすし(薄し)」の「うす」「おそし(遅し・鈍し)」の「おそ」は母音変化の関係にあります。用例に関しては日々の言語生活で確認してください(ただし日本語で言語生活を送れる人)。物的なことにも社会的なことにも言います。「水があさい・色があさい・関係があさい・考えがあさい」。

 

※『音語源』掲載サイト http://kaitahito.world.coocan.jp/

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