「あはせは(合はせ葉)」の音変化。(その葉が)何枚もの葉を本で合わせたような印象のもの、の意。植物の一種の名。葉がそういう形状なのです。茎の繊維をとりそれにより織物を作ったりもします。その繊維は、「あさ(麻)」とも言いますが、「を」とも言います(「からむし(苧)」の繊維も「を」と言いますが、麻の方が圧倒的に有名です)。「を」は線状の長いものを表現します。「をけ(桶)」の「を」はそれであり、これは元来、麻の繊維の束を入れて水にさらしておくものでした。つまり、食べ物を入れておく容器ではない。今は寿司を入れた浅い容器を「すしをけ(寿司桶)」と言ったりもしますが、以前はあれは「ふね(舟)」と言っていました。「を(麻)」に関しては、お盆の送り火や迎え火で焚く「をがら(を柄)」は麻の茎の芯を干したもの。食用になる麻の実(塩漬けにしたりする)は「をのみ(麻の実)」。これは大麻取り締まりの関係でか、最近はスーパーなどで見ないような気がします。塩漬けにしたそれは稲荷ずしのすし飯や五目御飯などに入れると味や食感のアクセントになっておいしいです。